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[No.376-2]御札の効果

No.376-2

「そうなんだけど、実は・・・」

買うには買った。
ここしばらく小さな災難が続いていたから、嫌な予感があった。
だからこそ、体調不良になった時、迷わず買った。

「その効果かどうかわからないけど・・・」
「体調はその後良くなったんだよね」

この時点では確かに効果はあった。
けど、彼に対しては・・・。

「効果がなかったみたい」

もちろん常識的に考えれば、別れてしまった原因は私達にある。
それを御札のせいにしているのは非常識だとは認識している。

「別れちゃったから?」
「そう、それも突然だったし」

見えない所で、厄年の魔の手が迫っていたのだろう。
気付いた時には、もう手遅れだったのかもしれない。
自分としては昔を思い出して、先手を打ったつもりだった。

「でもね、彼と別れた以外、逆に好調なんだ」

体調もすこぶる良好だし、仕事も順調過ぎる位だ。

「・・・肝心の彼には効かなかったけどね」
「あはは!そうじゃないよ」
「何よ、その笑い・・・」

何がそうじゃないと言うのだろうか?

「時には彼が居ない方が良い時だってあるんじゃない?」
「御札が彼を厄介払いしたとでも?」

でも、確かに彼と別れてから、運気が好転したようにも思える。
彼と別れることになったのも、御札の効果なのだろうか?

(No.376完)
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