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ホタル通信 No.129

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.96 巡るギザ十
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

実話度は限りなくゼロに近く、登場人物や設定は創作ですが、話の主軸となる“ギザ十”は事実であり、その十円玉を手にしたことで小説が生まれました。

“ギザ十”は、そこそこ珍しい十円玉であり、財布にいつも入っているわけではありませんよね?まれに「あれ?」という感じで、財布の中に入っています。
貨幣としての価値もそれなりにあると思いますが、この小説では、ラッキーアイテムとして位置付けています。小説にも登場させた“茶柱”と同じ扱いです。

話の構成としては、ショートショ-トに近いと思います。
若干、暗めの話が多い“冬のホタル”において、そんな雰囲気を微塵も感じさせない話です
それもあってか、どちらかと言えば商業的な仕上がりになっています。ですから、個人的にはあまり好きではありません。
自分の作品であってもです。
多少、オチらしきものをラストに持って来てはいますが、それが狙いではなく、何となくそうなっただけ・・・が本音です。

それよりも、たかが十円玉ひとつでワイワイガヤガヤ・・・とと言った空気を感じてくれればと思います。
もともと、冬のホタルでは「どうでもいいこと」や「ごく普通の日常」を描いています。
それこそ道端に、犬のウンチが落ちていても(お食事中の方すみません!)話を作るヒントにはなります。
ですが、そこから何も感じとることがなければ小説が生まれることはありません。

日常から“何かを感じとること”ができなくなれば、当ブログは終わりをむかえることになります。
でも、感性が強すぎると、時として苦しむことも少なくはありません。次回のホタル通信ではこの流れで「No.73 Sensitivity」を紹介させて頂きます。
No129
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