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[No.375-1]出せないメール

No.375-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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中途半端な状態で分かれてしまった彼が居る。
ケンカしたわけでもないのに、ある日突然、連絡が途絶えた。

「でも、予兆くらいあったんでしょ?」
「まぁ・・・無かったとは言えない」

確かに順風満帆なつきあいではなかった。

「それはそれとして“彼女のアドレス”ってなに?」
「彼と付き合っていた彼女のアドレスよ」
「・・・それって・・・」

私とその彼女からすれば、彼は二股していたことになる。

「思ってる通りよ、でも知ってたし」

正確に言えば、彼女が居ることを承知で付き合った。

「とにかく、その彼女のアドレスってことね?」
「そう・・・以前彼から送られてきたメールに・・・」

彼が彼女とケンカした時だった。
彼が彼女から送られた来たメールを私に転送してきた。

「えっ、と・・・話がややこしいわね」

彼から転送されて来たメールに、彼女のアドレスが載っていた。

「あえて載せたんじゃないと思う・・・転送ならそうなっちゃうし」
「多分、彼女のメールを私に見せて」
「“どう思う”的なコメントが欲しかったんじゃない?」

ただ、友人に相談したかったのは、メールの内容ではない。

「彼女のアドレス・・・私のケータイに入ってるんだ」

電話帳としては登録していない。
彼からのメールを保存している関係で、それも残っている。

(No.375-2へ続く)

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