[No.371-2]誘われた夜
No.371-2
自分としては、少なくとも土日を想定していた。
もしも、彼女の家へ遊びに行くことがあったとしたら・・・だ。
それが平日、しかも・・・夜も遅い。
『これから行くよ』
ストレートに短く答えた。
何だか、彼女の勢いに押されている。
(さて・・・どうしたものか)
彼女の家に着く前に、あることないこと考えてしまう。
彼女が覚悟したのか、僕が覚悟しなくちゃいけないのか・・・。
「いらっしゃい」
「ワンワン!」
そうこうしている内に、彼女とチビが出迎えてくれた。
「私も、そう!」
「な、だろ!」
会社を離れることで、見えてくるものもある。
思った以上に会話も弾んだ。
でも、そんな時こそ、時間は無常にも過ぎて行く。
「・・・ごめん、つい話しこんじゃって」
気付けば、もうすぐ23時になろうとしている。
「じゃ、もう遅いから帰るね、また今度」
「・・・うん」
こう言いながらも低俗だけど・・・戸惑っている。
何かした方が良かったのか、しなかった方が良かったのか・・・。
彼女の想いがつかめぬまま、帰路に付いた。
(No.371完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
(No.372-1へ続く)
| 固定リンク | 0
「(015)小説No.351~375」カテゴリの記事
- [No.375-2]出せないメール(2012.06.30)
- [No.375-1]出せないメール(2012.06.29)
- [No.374-2]by せいじゅうろう(2012.06.28)
- [No.374-1]by せいじゅうろう(2012.06.27)
- [No.373-2]笑顔に逢いたい(2012.06.23)
コメント