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[No.369-1]ですな

No.369-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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朱に交われば赤くなる・・・とでも言っておこう。

「美味しかったですな~」

目の前に居るのは20代前半の女性だ。
・・・いや、女の子と言った方が似合う。
なのに語尾が、女の子っぽくない。

「その、“ですな~”何とかならない?」

別に汚い言葉でもないし、キツイ言葉でもない。
むしろ、柔らかで温かみを感じる。
ただ、なんとなく、老人の言葉のように聞こえてならない。

「・・・ほら、アレ・・・アレだよ!」

ここまで出掛かって、出てこない。

「・・・!そうだよ、長老・・・村の長老!」
「随分、レアな人物ですな」

言ったそばから、また“ですな”が登場した。
とにかく、村の長老と言うか・・・徳のある人と話している気がする。

「それなら、ええことやん・・・ですな!」
「無理やりくっつけるなよ~」

この後、ふたりで大笑いした。
別に、彼女とけんかしたくて、“ですな”を指摘したのではない。

「あ~あ、だめだ・・・」
「どないしたん?」

頭の中はすでに“ですな”で埋め尽くされている。
そう・・・僕はすぐ影響されてしまうたちだ。

(No.369-2へ続く)

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