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[No.367-1]姓名判断

No.367-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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特に何があったわけでもない。

たまたま姓名判断のバナーが目に入っただけだ。
好奇心というほどの気持ちではないが、そのバナーをクリックした。

「えっと・・・幸せな家庭・・・」

最初は自分の名前を入れてみた。
姓名判断自体はネット上で、何度かやってみたことがある。
だから“言われる”ことは大体予想できていた。
案の定、あまり誉めてはくれなかった・・・。

「・・・に恵まれるか」

今、ある人の名前を入れて結果を見ている。
一言では言い難い関係にある、ひとりの女性だ。

「皮肉なものだな」

彼女は幸せな家庭には恵まれなかった。
むしろ、不幸だった・・・と言ったほうが早い。

「名前の上では、幸せが手に入るのにな」

小さい頃から苦労の連続だ。
両親のこと、学校のこと・・・それに・・・。
とても聞くに堪えない話が、いくつもあった。

「姓名判断?・・・うん、知ってたよ」

(意外・・・じゃない・・・か)

ある日、さりげなく、姓名判断のことを聞いてみた。

(No.367-2へ続く)

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