[No.366-1]スカーフの謎
No.366-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「なっ・・・不思議な話だろ?」
1年前くらいに、不思議な体験をしたことを思い出した。
きっかけは、梨江(りえ)が身に付けているスカーフを見たからだ。
「結局、何だったんだろうね」
会社のロッカーの中に薄いピンク色のスカーフが入っていた。
もちろん、自分の物ではない。
「ロッカーはひとり用だったんだよね?」
「そうだよ、自分専用」
「鍵は?」
「・・・そんな習慣はなくて」
別に貴重品を入れるわけでもなく、単なる物置に近い。
自分だけでなく他の人もそんな使い方をしていた。
「それに更衣室にあったわけでもなくて」
「どこにあったの?」
「事務所内」
女性と違って、着替えることもない。
コートやスーツの上着を掛けておく程度だ。
だから、更衣室になくても良かった。
「鍵も掛かっていないし、事務所内にあるから・・・」
「・・・誰でも入れようと思えば入れられるね」
スカーフは女性だけの装飾品ではないとは思う。
けど、さすがにスーツ姿で出勤してくる男性は身に付けないだろう。
「だから、誰かが意図的に入れたと考えてる」
「たまたま、あなたのロッカーの前に落ちていたとしたら?」
確かに有り得ない話ではない。
ただ、そうだとしても・・・。
「まずは女性に聞くだろ?落し物があったって」
実は意図的だと思う理由に心当たりがあった。
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