[No.365-2]ポスター
No.365-2
「これか?」
本当はあえて聞く必要もなかった。
何らかのアニメに登場する誰かだとは見れば分かる。
「好きなの?」
「好きだよ」
別にアニメが好きなことを悪く言うつもりはない。
ただ、現実に存在しない女の子とは、張り合いようがない。
顔やプロポーションだって、現実のそれとはかなり異なる。
「嫌いか?」
「嫌いじゃないけど、あまり関心はないわね」
「あはは!そうなんだ」
(なによ、その「あはは!」・・・って)
確かに友達の中にも、アニメが好きな人が居る。
「別にいいじゃない!」
「ごめん、ごめん」
アイドルを好きになっても叶わぬ夢で終わるだろう。
でも、可能性はゼロではない。
一方、アニメはどうあがいても可能性はゼロだ。
「ゼロ?そうとも言えないぞ」
架空の人物を好きになって、一体どうしようと言うのだろうか。
「よく見てみろよ、それ・・・誰かに似てないか?」
「誰って・・・」
よく見ると、印刷したというより、塗ったような“手作り感”がある。
それを裏付けるかのように、筆やら絵の具が置いてあった。
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