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[No.363-2]イルカに乗った・・・

No.363-2

「やっぱり、売ってたやん!」

水族館の見物もそこそこにお土産店に入った。
確かに店の一角で売られている。
でも、売ってはいるものの、数える程度の種類しかない。

「これなんか、どう?」

いわゆるミニタオルとでも言えば良いのだろうか?
ハンカチサイズの大きさで、タオル生地だ。

「それも捨てがたいけど、遊ばれへんやろ?」
「遊ぶ?あぁ・・・そうだったな」

聞こえが悪いかもしれないが、彼女はひとり遊びをよくする。
彼女にとっては、独り言に近いレベルだろう。
ただ、俺にはそれが少しせつなくも見える。

「じゃ、これだろ!どう考えても」
「うちもそれがええわ!」

やはり、遊ぶとなると、ぬいぐるみが適している。
それにサイズも丁度良い。

「・・・で、これは・・・」
「イルカに乗った、せいじゅうろうやろ?」

シチュエーションは恐らくそうであろう。
けど、そう見えないのが笑える。

「乗ってるというより、寝そべってる?」
「そやね~」

イルカに乗ったせいじゅうろうならぬ、イルカで寝そべっている・・・。

「いや、寝そべってるというより・・・」
「ダラダラしてるんや!イルカの上で!」

何となく、俺がイルカ役になりそうな予感がした。No363
(No.363完)
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