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ホタル通信 No.120

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.33 夕焼けは晴れ
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:男性

初期の作品によく見られた“ダーク”な要素を含んだ小説です。
ただダークと言っても“悪”というわけではありません。

実話度は極めてゼロに近く、内容はほぼ事実ではありませんが「もしかしたら、そうなっていたかも・・・」という事実を含んでいます。従って、実話度がゼロで終わって、逆に良かった作品です。

では内容に触れて行きますね。
まず、当時は話の中で、時間経過や回想シーンがあってもあえて何も説明していませんでした。現在はを入れることにより、何らかの変化があることを皆様にお伝えしています。今回の話は本来であれば3度、が必要になります。

ひとつ目は前半の中盤「・・・雨になる理由も知っている」の後にを入れ、回想シーンに入ります。そして「ごめん、ごめん・・・」の前に回想シーンの終わりを表す、ふたつ目のが必要になります。
ホタル通信を書く前には、一度読み直しているのですが、「ごめん、ごめん」の下りがどうしても話の流れに噛み合わず、少し考え込んでいました。
「ごめん、ごめん」は「な~んだ、頼りにならないわね」に対する答えであるため、その間に回想シーンを入れたことで会話が噛み合っていないように見えます。

三つ目は、後半の出だしにが必要です。
後半は前半から数日~数ヶ月、経過していると考えてください。
特に具体的な経過日数は設定していません。
後半は直接的な表現は避けていますが、美沙の遺影に対して話が展開していきます。
冒頭に「実話度がゼロで終わって、逆に良かった」と書きました。
当時そうなる危険性があったのは事実で、その緊張感がこんな小説を生み出したのかもしれませんね。

決して明るい話ではありませんが、“冬のホタル”の原点のような作品です。笑顔で話を読み終えて頂ければ幸いです。
No120
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