[No.367-2]姓名判断
No.367-2
誰しも一度や二度の経験はあるだろうから、当然かもしれない。
「うち、名前の上では幸せになれるやろ?」
「・・・うん」
正直答えた。
「だから、気にせえへんほうがええよ」
「ハズレるみたいやから」
「・・・ん?」
意味が良くわからない。
「占いの結果と現実は反対になるってこと」
「・・・それって、僕に対する気遣い?」
どうやら、僕の名前でも占ったことがあるようだ。
僕は名前の上では、不幸せな人生を歩むらしい。
ただ、現実は幸運にも、そこそこ幸せに恵まれている。
「でも、それなら・・・」
「うちのことは、気にせんでええよ」
なぜか、余裕の表情だった。
実は彼女には言わなかったが、“ある名前”でも占ってみた。
「・・・あのな、実は・・・」
「なに?」
「・・・いや・・・ごめん、なんでもない」
なぜあの時、彼女が余裕だったのか、1年後知ることになった。
彼女も僕と同じように、“ある名前”で占っていたようだった。
(No.367完)
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