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[No.358-1]桜

No.358-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「相当、荒れたようね」

昨日の暴風雨の爪あとが、いたる所に残されていた。

「傘も、ほら・・・」

バラバラになった数本の傘が、更にその凄さを物語っている。
でも、今この時、この場所でする話ではない。

「桜は・・・大丈夫だったようね」

言われてみればそうだ。
あれだけの暴風でも花が散るどころか、逆に咲き誇っている。
もちろん、枝も折れてはいない。
桜を見る限り、まるで何もなかったかのようだ。

「今、開花時期でしょ?ちょっと心配してた」

心配?・・・桜よりも、僕らのことの方が心配だ。

「意外に強いんだね、桜って!」

確かに意外だった。
けど、事実、散ってもないし折れてもいない。

「大きな風に吹かれても、大雨に降られても平気だよ」

何となく、表現に違和感を覚えた。

(No.358-2へ続く)

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