[No.357-2]スク-ルバッグ
No.357-2
「なにが出てくるやろかぁ~」
「自分のバッグやろ!」
つい、ツッコミを入れてしまった。
「せやかて、色々入れてるから、自分でも分からしません」
「おいおい・・・」
でも、その言葉通り、ゴソゴソが止まらない。
本当に何が出てきてもおかしくない雰囲気だ。
「・・・んっ?」
「えっ!なになに・・・」
奈々美(ななみ)の手が止まった。
何かを掘り当てた・・・いや、見つけたらしい。
「100円、見っけ!」
前言撤回だ・・・本当に掘り当てたようだ。
「なにが出てくるかヒヤヒヤするよ」
「それに、これも見つけた」
まるでトレージャーハントしているように見える。
「今度は何、見つけたの?」
「これ、覚えてはる?」
奈々美の手に握られているもの、それは・・・。
「それ・・・って、なに?」
全く記憶にない上、ラッピングされており、中身も分からない。
「チョコレート、去年あげそこねたけど」
「なんだぁ!それじゃ、覚えてないわけだ・・・ん?」
・・・って、ことは・・・。
(No.357完)
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