[No.357-1]スク-ルバッグ
No.357-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「いつも大変だな」
奈々美(ななみ)が、バッグを抱えている。
「そう?うちはあんまり、大変やと思わへんけどな」
ひとつは普通と言えば普通のバッグだ。
そんなに大きくもない、淡いピンク色をしている。
「でも、そのバッグ・・・重そうだよ」
もうひとつのバッグを重そうに抱えている。
「それって、スクールバッグ・・・でいいのかな?」
中高生が持っている、それとよく似ている。
「そやね・・・確かに、それらしきコーナーで買ったわ」
「気に入ったの?」
「うん、実用性高そうやし」
シンプル・イズ・ベスト・・・そんな言葉が似合う。
まさしく収納するためのバッグであり、おしゃれは二の次だろう。
でも、初々しさを感じる、スクールバッグゆえに。
「それはそうと、何が入ってるの?」
「そんなん、女子に聞くんや?」
(・・・し、しまった!)
軽はずみな発言だった・・・そのせいで思い切り睨まれた。
「い、いや、その・・・ごめん!」
「あはは、冗談やんか、じょ・う・だ・ん!」
「そんなぁ~」
「せっかくやから、一緒に見よか」
そう言うと、スクールバッグをゴソゴソし始めた。
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