« [No.354-2]わらしべ長者 | トップページ | [No.355-2]福山さん »

[No.355-1]福山さん

No.355-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
どうあがいても、勝てないところがある。

「やっぱり素敵よね!・・・福山さん」

佐緒里(さおり)がコンビニ置かれた雑誌を手に取っている。
そこには彼女が好きなその“福山さん”が表紙を飾っていた。

「ねっ!そう思うでしょ?」

確かに男の目から見ても二枚目だ。
それに歌手としても俳優としても成功している。

「・・・まぁ・・・な」
「なによ!?気の無い返事しちゃって」

別にそれらをやっかんでいるからではない。
それに、同じ土俵で張り合えないのは、紛れも無く事実だ。
でも、自分の中で、そこはあまり重要視していない。

「他にも居るだろ?ジャニーズ系とか・・・」

ジャニーズ系になら俺が勝てる・・・ことは到底有り得ない。
間違いなく、ボロ負けだ。
けど、チャンスが全くないわけでもない。

「だって、歳が近いんだもん!」

福山さんにどうあがいても勝てないところ・・・それは年齢だ。
単に歳を重ねるだけの年齢を言っているのではない。
なんて言うか・・・。

「単に年上が好きだからじゃないのよ」

言われなくても分かっている。
だからこそ、勝てる気がしない。

(No.355-2へ続く)

| |

« [No.354-2]わらしべ長者 | トップページ | [No.355-2]福山さん »

(015)小説No.351~375」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.355-1]福山さん:

« [No.354-2]わらしべ長者 | トップページ | [No.355-2]福山さん »