[No.355-1]福山さん
No.355-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
-----------------------------
どうあがいても、勝てないところがある。
「やっぱり素敵よね!・・・福山さん」
佐緒里(さおり)がコンビニ置かれた雑誌を手に取っている。
そこには彼女が好きなその“福山さん”が表紙を飾っていた。
「ねっ!そう思うでしょ?」
確かに男の目から見ても二枚目だ。
それに歌手としても俳優としても成功している。
「・・・まぁ・・・な」
「なによ!?気の無い返事しちゃって」
別にそれらをやっかんでいるからではない。
それに、同じ土俵で張り合えないのは、紛れも無く事実だ。
でも、自分の中で、そこはあまり重要視していない。
「他にも居るだろ?ジャニーズ系とか・・・」
ジャニーズ系になら俺が勝てる・・・ことは到底有り得ない。
間違いなく、ボロ負けだ。
けど、チャンスが全くないわけでもない。
「だって、歳が近いんだもん!」
福山さんにどうあがいても勝てないところ・・・それは年齢だ。
単に歳を重ねるだけの年齢を言っているのではない。
なんて言うか・・・。
「単に年上が好きだからじゃないのよ」
言われなくても分かっている。
だからこそ、勝てる気がしない。
| 固定リンク | 0
「(015)小説No.351~375」カテゴリの記事
- [No.375-2]出せないメール(2012.06.30)
- [No.375-1]出せないメール(2012.06.29)
- [No.374-2]by せいじゅうろう(2012.06.28)
- [No.374-1]by せいじゅうろう(2012.06.27)
- [No.373-2]笑顔に逢いたい(2012.06.23)
コメント