[No.354-1]わらしべ長者
No.354-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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「・・・あれ?なんでホームページ見てるんだっけ?」
とりあえず、独り言だった
後で考えればきっかけは、ひとつのニュースだった。
「頭、大丈夫?」
「失礼ね!」
昨日の独り言を、今度は目の前の人に話した。
確かにこれだけを聞くと、そう捉えられてもおかしくはない。
「だって、記憶喪失みたいなこというから」
記憶喪失とまでは行かないものの、中らずといえども遠からずだ。
無意識の内にホームページを見ていたのは間違いない。
「とろこで何のホームページ?」
「自分が卒業した学校・・・あっ!高校のね」
まず、ホームページがあることに驚いた。
もちろん、私が卒業した時にはホームページはなかった。
「見たいから見たんでしょ?」
「そうなんだけど、始めから見ようとは思わなかったんだ」
「う~ん・・・良く理解できない話ね」
「ごめん、あのね・・・」
一から話すことにした。
きっかけはひとつのニュースであり、それから連鎖が始まった。
「私の実家に近い住所が、テレビから聞こえてきたの」
場所のイメージはできるものの具体的な位置を知りたくなった。
「・・・でね、ネットで地図見てたら・・・」
読み方を忘れた、ある地名が目に飛び込んできた。
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