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[No.349-1]眼鏡で背伸び

No.349-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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『今、眼鏡屋さんに居るんだ』

那央(なお)からのメールに返信した。

『そうなんや、合わなくなったん?』

少しだけ、返事に間を作った。
軽い嘘を付く必要があったからだ。

『うん、合わなくなって』

眼鏡屋を訪れた理由は簡単明白だ。
まぁ、そんなに大袈裟に言うものではないだろうが・・・。
理由なんてたかが知れている。
新しく作るか、買い替えるか・・・概ねそのどちらかだろう。

『やっぱりそうなんや』
『それで買い替えようと思って』

言葉の上では、嘘を付いていない。
確かに買い替え目的で眼鏡屋を訪れている。
それに“合わない”から買い替えようと思った。

ただ、“合わない”のは那央が思っているそれとは違う。

(No.349-2へ続く)

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