[No.348-1]女友達
No.348-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「結局、みんなダメにしちゃったんじゃない!」
「うぅ・・・」
当たっているだけに反論は小さなうめき声だけになってしまった。
「いつもアドバイスしてるでしょ?」
中学時代から知っている女子が居る。
自分の中では単なる“知り合い”程度のポジションだ。
友達と呼べるほどの関係でもない。
ただ、適当な言葉が見つからず、とりあえず“女友達”にしている。
「仕方ないだろ」
別の見方をすれば見合い写真を押し付ける親戚のおばさんだ。
テレビで似たようなシーンを何度も見かけた。
「全然、仕方なく思ってない!」
卒業を前に、高校3年間の集大成が“今”行われている。
「思ってるよ、でも・・・」
恋のキューピット役をかって出てくれたことには感謝している。
何度も彼女を紹介してくれたからだ。
「・・・でも、なによ?」
「いつも自然消滅するんだ」
原因は何となく分かっている。
「クールに惹かれて、本当にクールだから引かれる・・・でしょ?」
謎掛け風の言葉でも、漢字は目に浮かぶ。
「言っとくけど、クールって・・・」
「分かってるよ、本来の意味じゃないってことだろ?」
早い話、俺は無口だった。
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