[No.344-1]時計
No.344-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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自分の時間じゃない。
言わば他人の時間で“時”は流れていた。
「子供の頃?持ってるわけないでしょ」
話の発端は子供の頃の遊びについてだった。
ローカルなものからメジャーなものに至るまで話は尽きなかった。
「普通、そうよね」
話をしている内に、あることに対して疑問が沸いた。
・・・というより、記憶も定かじゃない。
「私なんて高校生からよ」
「それは私も同じ」
当時、腕時計をしている小学生を見たことがない。
単に田舎だからとか、そんな理由とは違う。
抽象的かもしれないが、一言で言えばそんな時代だった。
「当時、どうやって時を知ってたのかな?」
時計に代わるもの、例えばケータイだってなかった時代だ。
「・・・それもそうね」
家の中なら時計がある、けど外に出てしまえば・・・。
そんな疑問がフッと沸いて来た。
「ほら、放課後・・・」
友達と待ち合わせして遊ぶことは少なくなかった。
その時、どうやって・・・
「・・・時間を知ったのかな?」
また最初の疑問に戻って来た。
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