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[No.343-1]枯れた花

No.343-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「あっ・・・若葉が生えてる!」

ポインセチアに小さな若葉を見つけた。
葉が落ちてしまってから久しい。
もちろん、枯れていたわけではない。
葉がなくとも茎は瑞々しさを保っていたからだ。

「いよいよ、次世代の誕生ね」

我ながら大袈裟な表現を使った、なぜなら・・・。
私の中では結構驚きだったからだ。
一旦、葉が落ちたはずなのに、また生えてくるなんて・・・。

「麻利子(まりこ)に教えなきゃ!」

つい嬉しくなって、写メを送ろうと考えた。

(・・・もう少し待ってみよう)

まだ若葉が1枚だけだ。
どうせなら、もう少し葉が付いた方が見栄えがする。
今は茎が目立って、何だか雰囲気が虫っぽい。

「じゃあ、もうちょっと頑張ってね!」

数日もすれば後、2、3枚は葉が付きそうな感じだ。

「じゃあ・・・このあたりに・・・」

とりあえず日当たりが良さそうな場所に鉢を移すことにした。
育て方が難しいとは聞いている。
でも、日当たり良好!はどんな植物にも共通だろうと思った。

「ふぅ~、これでよし!と・・・」

鉢を置く前に、まず部屋を片付けた。
今の季節、体を動かすとうっすらと額に汗がにじんだ。

「今年最初の冷え始め~スイッチ・オン!」

この軽いノリが誤りだった。 

(No.343-2へ続く)

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