[No.343-1]枯れた花
No.343-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
-----------------------------
「あっ・・・若葉が生えてる!」
ポインセチアに小さな若葉を見つけた。
葉が落ちてしまってから久しい。
もちろん、枯れていたわけではない。
葉がなくとも茎は瑞々しさを保っていたからだ。
「いよいよ、次世代の誕生ね」
我ながら大袈裟な表現を使った、なぜなら・・・。
私の中では結構驚きだったからだ。
一旦、葉が落ちたはずなのに、また生えてくるなんて・・・。
「麻利子(まりこ)に教えなきゃ!」
つい嬉しくなって、写メを送ろうと考えた。
(・・・もう少し待ってみよう)
まだ若葉が1枚だけだ。
どうせなら、もう少し葉が付いた方が見栄えがする。
今は茎が目立って、何だか雰囲気が虫っぽい。
「じゃあ、もうちょっと頑張ってね!」
数日もすれば後、2、3枚は葉が付きそうな感じだ。
「じゃあ・・・このあたりに・・・」
とりあえず日当たりが良さそうな場所に鉢を移すことにした。
育て方が難しいとは聞いている。
でも、日当たり良好!はどんな植物にも共通だろうと思った。
「ふぅ~、これでよし!と・・・」
鉢を置く前に、まず部屋を片付けた。
今の季節、体を動かすとうっすらと額に汗がにじんだ。
「今年最初の冷え始め~スイッチ・オン!」
この軽いノリが誤りだった。
| 固定リンク | 0
「(014)小説No.326~350」カテゴリの記事
- [No.350-2]どしゃぶりの雨の中で(2012.03.24)
- [No.350-1]どしゃぶりの雨の中で(2012.03.23)
- [No.349-2]眼鏡で背伸び(2012.03.20)
- [No.349-1]眼鏡で背伸び(2012.03.18)
- [No.348-2]女友達(2012.03.16)
コメント