[No.342-1]気遣い
No.342-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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(どうしよう・・・・か)
ちょっとした選択に迷っている。
いつも通りにするか、時間を早めるかどうか・・・。
『13:00までしか時間は取れないけど、大丈夫だよ』
いつもなら、15:00くらいまでならOKだ。
でも、その日だけは時間を早めたい理由があった。
『・・・次の日、試験なんだ』
別に隠す必要もないから、正直に話した。
『ラストスパートしたいので』
『うちはいいけど・・・大丈夫なん?』
この後も何度かメールを交わした。
試験のことは気になりもするが、由佳(ゆか)とも逢いたい。
その間を取ったような結論にした。
『じゃ、土曜日11:00にいつもの所で』
僕としては、そんな大袈裟には考えていない。
ただ、試験のことは言うべきか言わざるべきか、迷った。
試験の結果を後で聞かれることを恐れたのではない。
由佳に変な気遣いさせる可能性があったからだ。
『わかった、じゃあ土曜日に』
思いの他、あっさり約束が決まった。
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