[No.341-2]ニッコリが一番
No.341-2
「そりゃないだろう!」
でも、実際はそれより酷いのかもしれない。
大袈裟に言えば心の醜さが表情に出ていたはずだ。
「・・・でも、ありがとう」
「菜緒のお陰で・・・」
徐々にイライラが取れてきた・・・と言おうとしていた。
「うち?違う、違う!」
「違う・・・?」
「せいじゅうろうたちのお陰やで」
また出てきた、いつものあいつら・・・。
ただ、今回は連中の姿は見えない。
「今日はまだ登場してないだろ?」
「いいや、いてはる」
大急ぎで辺りを見回した。
机、テーブル、本棚・・・他、居そうな場所に姿は見えない。
「居ないけど?」
その言葉を聞いて、菜緒が僕の向きとは反対方向の壁を指差した。
「ほら、あれ」
壁に掛かったカレンダーに確かにやつらは居た。
「書いてあること、読んでみてみぃ」
「・・・えっ、と・・・」
ニッコリが一番。
(No.341完)
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