[No.337-1]うまくいかない
No.337-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「どうしたの?頭抱えて・・・」
後輩がその言葉通りのポーズをしていた。
「少なくても、楽しいことがあったわけではなさそうね」
返事を返さない後輩に対して、言葉を続けた。
「とりあえず話してみない?」
「・・・はい、実は・・・」
ようやくその重い口を開けてくれた。
予想通り、どうやら仕事の悩みらしい。
「本社部門なんてそんなものよ」
聞けば現場と上手くいってないようだった。
どの会社もそうだとは言えないが、概ねそうなることが多い。
やれ!と言う本社、そんなの無理!と突っぱねる現場・・・。
「確かに上から目線だと、ダメなんだろうけど・・・」
それでも、言うべきことは言わなければならない時だってある。
結果的にそれが現場のためになるのであればなおさらだ。
「理解してるんだけど・・・」
「だけど?」
「言っても、相手にしてくれなくて」
かつての私を見ているようだった。
現場のために、と思い放った矢が、いとも簡単に折られてしまう。
「折られてしまうのは私の心も・・・だけど」
もはや自虐的な域まで達しているようだ。
「ほんと、仕事が上手く進まない・・・」
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