[No.334-2]ばいばい
No.334-2
その後も、メールを何度かやりとりした。
ただ、徐々に彼からの返信が減っていった。
それに・・・。
『日曜日逢えない?』
『ごめん・・・用事があるんだ』
あれ以来、彼とは逢ってはいない。
もともと、ギクシャクしていた延長と考えれば不思議ではないが。
『そうなんだ・・・わかった』
『悪いな・・・』
『ううん気にしないで、じゃぁ、バイバイ』
メールを送信してから気付いた。
(・・・バイバイ・・・)
すぐに返信があった。
『うん、バイバイ』
立場は違えどもあの日と同じだった。
でも、今度は彼のバイバイに別の意味が含まれていると感じた。
もう、これで終わりだと・・・。
渡せなかったプレゼントが目の前で埃を被っている。
正確には、渡せるはずもないプレゼントを買った。
今思えばあの日、ギクシャクした関係にイラだっていた。
そんな、やけになった気持ちが言葉に別の感情を与えた。
「どうにでも、なってしまえ!・・・だったかな」
実際、どうにでもなってしまった、その感情通りに。
「・・・あはは、何だか笑っちゃうね」
プレゼントを手に取り、そのままゴミ箱へ放り投げた。
「バイバイ!・・・もう忘れるわ」
(No.334完)
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