[No.331-2]ライバル
No.331-2
「興味本位でしょ?みんな」
つまり、ライバル同士の戦い。
はっきり言えば・・・
「女の戦い・・・だと」
「そうだろうな・・・でも、僕はそうは思っていない」
その場をとりあえず取り繕うために、口にしたのではない。
本当にそうだとは思っていなかった。
「ほんと?」
「さっきも言っただろ、お互い頑張ってたのは知ってたよ」
「それに、犬猿の仲じゃないわけだろ?」
ライバルだけど、仲が悪いわけではない。
そんな雰囲気を、これも周りが作り上げている。
「そうね、逆に好きなくらい」
もともとライバルとはそんなものだ。
見た目は対立状態でも、真の部分は似ている部分が多い。
それに好敵手・・・と言われるくらいだ。
実力の上でも過不足がなく、競い合うには丁度良い。
「まぁ、世紀の対決を楽しんだら?」
「そうね、そうする」
「そう、そう、竜虎の対決!・・・なんてね」
「・・・」
さっきまでの彼女とは表情が一変した。
「それで・・・どっちが竜で、どっちが虎なわけ?」
「えっ!それは・・・」
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