[No.328-1]プラネタリウム
No.328-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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菜央(なお)が、星好きだということは知っていた。
知るも何も、プロフィールにそれこそ堂々と書かれていたからだ。
「最近のはやねぇ~」
最近のプラネタリウムについて、話始めた。
聞くだけでも、凄そうなイメージは伝わってくる。
菜央の話が上手いのか、それとも僕の認識が古いのか・・・。
「プラネタリウムっていったら、アレしか思い出せないよ」
「なんやねん、アレって?」
記憶の中のプラネタリウムは、何となく宇宙船をイメージさせる。
宇宙船と言うより・・・月に降り立つ着陸艇と言うべきだろうか。
「子供の頃、百科事典で・・・」
丸い大きな球体に小さな穴のようなものが無数にある。
それが何本かの脚によって支えられていた。
子供心にそれは異形の物体に見えた。
「伝わるかなー?」
「伝わるも何も、今だってそんなに変わってへん」
そんなに変わっていなければ、イメージは伝わったはずだ。
「装置だけが凄いんと違うんや、あんな・・・」
早い話、演出も凄いと言いたいらしい。
映像や音・・・とにかく天体ショーとして成立しているようだ。
「・・・でな、何でか知らんけど、見てたら涙が出るねん」
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