[No.324-1]二度目の別れ
No.324-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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『さようなら』
一度目の別れの言葉だった。
もちろん「また明日!」とは意味が異なる別れだった。
「・・・まぁ、至って普通よね?」
感動的ではないにせよ、もっと情緒的な感想が欲しい所だ。
「相変わらず、冷静と言うか・・・」
「だって、言葉通りでしょ?」
以前、付き合っていた彼から振られた。
ささいな口げんかが原因だった。
「私の方が悪かったんだけど」
もともと非があったのは彼の方だった。
でも、最初は小さかった火種を、私がどんどん大きくしてしまった。
意地を張りすぎたばかりに・・・。
「それでも彼がいずれ折れてくれると思ったの」
「・・・裏目に?」
「うん、違う意味で折れたみたい」
さすがに不安になり、謝りの電話をした。
けど、繋がることはなかった。
結局、数日後、別れのメールが届いた。
「なんて書いてあったの?」
「さようなら・・・その一言だけ」
笑ってしまうくらい、ハッキリした別れになった。
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