[No.319-2]いつも通りの味
No.319-2
さて、どうしたものか・・・。
別に間違った所で、責められるものではない。
ただ、妙な緊張感には包まれている。
「あぁ、それね・・・」
まずは、一呼吸置くために、余り意味がない言葉を挟んだ。
お米、水、炊き方・・・いずれか、またはその組合せだろう。
(炊飯器は替わってなかったよな・・・)
「そう、それそれ!」
(そう言えば思い出した・・・)
リラックマ米・・・最近、見たことがある。
もちろん、パッケージにリラックマが描かれているだけに過ぎない。
美味しさは、お米そのものの力だろう。
「や、やっぱり米の力だね~」
流れに乗って、勢いで言い切ってしまった。
これが吉と出るか凶とでるか・・・。
「おっ!鋭いやん」
「だ、だろ・・・」
嬉しさ半分、緊張半分の声になった。
「せやけど、不思議やわ~」
「何がだよ?」
「お米自体は替えてへんのに」
「・・・へっ!?」
そう言うと、菜緒が目の前に何かを差し出した。
「せいじゅうろうパワーやろか」
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