[No.319-1]いつも通りの味
No.319-1 [No.07-1]せいじゅうろう
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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「どない!なぁ・・・どない?」
菜緒(なお)の思いっきりの大阪弁にもスッカリ慣れた。
「どない・・・って、何が?」
「今、食べてるご飯のことやん!」
何の前振りもなく、いきなり話が展開する。
「まぁ、いつもの通・・・」
(・・・まさか!)
言い終る前に、ハッと気付いた。
お米を替えた可能性がある。
「・・・の、てか、んだ・・・いつもより美味しいよ!」
焦りすぎて接続詞が成立していない。
それに言い終えてから、また気付いた。
(もしかして、水・・・?)
いや、炊飯器を新しくしたのかもしれない。
さりげなく、炊飯器に目を向けて見た。
「そやろ!うちも美味しくなったと思ってるねん!」
会話はなんとか成立しているようだ。
「うん、うん、旨い旨い!」
その瞬間、菜緒の表情が変わった。
恐らく・・・。
「じゃぁ・・なんで美味しくなったか分かる?」
思ったとおり、そこに直球が投げ込まれた。
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