[No.318-2]超・雨女
No.318-2
案の定、今にも泣き出しそうな空模様だった。
私の力を持ってすればコースに一歩でも踏み出した途端・・・。
「・・・おっ!降って来たな」
恐れていたことが現実になった、それもまだ室内だというのに。
「ところで接待先は?」
「あぁ、もうプレーしてるよ」
「・・・えっ!?」
(プレーしてる?どういうこと・・・?)
「じゃぁ・・・私たちって・・・?」
「まぁ、いいから、いいから!」
なぜだか嬉しそうな顔だ、雨が降り出しているというのに・・・。
それに・・・。
「雨・・・ひどくなってきましたね」
ますます、雨足が強くなってきた。
もはやゴルフどころではない。
「すみません・・・私のせいで・・・」
「・・・雨女ってことだろ?それも“超”が付く・・・」
「知ってたんですか!?」
聞けば、ライバル会社が接待ゴルフをしているらしい。
「雨で中止だろうけどな」
「・・・だから、あえて呼んだのですか?」
「だったら、言ってくれれば・・・」
「重荷に感じたら、本来の“力”を発揮できないだろ?」
さすが上司・・・私のことを良く見ている。
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