[No.318-1]超・雨女
No.318-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(男性)
-----------------------------
「今週末、ゴルフに付き合ってくれないか?」
「えっ!私ですか・・・?」
公私共々、信頼を寄せている上司だ。
いわゆる“セクハラまがい”のお誘いではないのは明らかだ。
「いいんですか・・・私で?」
「逆に、君じゃないとダメなんだ」
聞けば接待ゴルフらしい。
だからこそ、初心者の私が選ばれたようだ。
「下手な方が、喜ばれますもんね」
「・・・悪いけどそういうことなんだ」
これも仕事の内だと認識している。
だから、嫌だという気持ちはない。
でも・・・ひとつだけ気掛かりなことがある。
「本当に私でいいのでしょうか?」
「もちろん!思いっきり下手さ加減を披露してくれれば」
披露もなにも、確実にそうなる。
これに関して言えば、まぁ・・・接待は大成功の内に終るだろう。
「あっ、はい・・・それはもちろん!」
ただ、なかなか気掛かりなことを切り出せない。
(私、“超”が付く雨女なんです!・・・と)
雨が降っては接待どころじゃない。
けど、切り出したところで、科学的な根拠がない話だ・・・。
結局、それを伝えることができず、当日を迎えた。
| 固定リンク | 0
「(013)小説No.301~325」カテゴリの記事
- [No.325-2]似てるけど似てない(2011.12.20)
- [No.325-1]似てるけど似てない(2011.12.18)
- [No.324-2]二度目の別れ(2011.12.17)
- [No.324-1]二度目の別れ(2011.12.16)
- [No.323-2]隣人(2011.12.13)
コメント