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[No.316-1]さすらいの太陽

No.316-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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悩みごとの解決方法は様々あるだろう。
ただ、他人の悩みごとの解決となると・・・。

「ねぇ、相談に乗ってくれる?」

友人が明らかに暗い表情をしている。
口は悪いが、明るいだけがとりえの友人だ。

「別れたの、彼と・・・」

つい、「なんだぁ~」と口が滑りそうになった。
これも口が悪いが、どこにでもある話だ。

「・・・それは残念だったね」

とりあえず当たり障りのない言葉で慰めた。

「原因は?」
「・・・彼の浮気」

いまどきドラマや小説にも登場しない“鉄板”な展開だ。
・・・とはいうものの、傷付いてはいるだろう。

「男性不信に陥りそうだよ」
「なに言ってんのよ、まだ二十歳じゃない!」
「だから、傷付いてるんじゃない!」

反論が出来なかった。
確かに・・・若さゆえに傷を癒す方法を持っていない。
それ以前に傷付くことに、そんなに慣れていない。

「ごめん・・・」
「それより、何かアドバイスない?」
「私でいいの?」
「うん、だって経験豊富でしょ?」

私が選ばれた理由は、不名誉にもそこにあったらしい。

(No.316-2へ続く)

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