[No.314-1]ファースト・イベント
No.314-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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「・・・ひどいと思わへん?」
「思う!思う!」
玲於奈(れおな)の勢いに負けたような返事になった。
でも、言ってることは間違ってはいない。
「ほんとに頭にくるわ!」
「そりゃ、勝手に見られたら怒るよな・・・」
玲於奈は寮生活をしている。
ひとり部屋ではなく、ふたり部屋だ。
その同室の人にパソコンを勝手に使われたという。
「色々とプライベートな部分もあるやろ」
ある意味、個人情報の宝庫とも言える。
メールやらデジカメの写真やら・・・。
「一言も二言も、そいつに言うたったわ!」
「そいつってな・・・」
玲於奈が“そいつ”について話始めた。
でも、玲於奈には申し訳ないが、僕の興味は別にある。
「・・・なんだよね!」
「そうなんだ」
どうにでも取れる曖昧な返事を返した。
それにしても・・・。
玲於奈が怒っている姿を始めてみたかもしれない。
そして、それ以上に・・・。
「玲於奈って、案外気が強いんだね」
「知らなかった?」
この時はまだ“点”に過ぎなかった。
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