[No.306-1]背筋がピン!と
No.306-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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時々、通勤途中に彼女と出会う。
出会う・・・と言っても、彼女は僕の前を歩いている。
「おはよう!」
「あっ、おはようございます!」
その結果、いつも彼女の背後から声を掛けることになる。
決して、狙っているわけではない。
お互い通勤時間の習慣が、そんな位置関係にあるからだ。
「唐突だけど・・・」
なぜか、いつも感じていたことを口にしたくなった。
「転勤?」
「さ、させたいの!?」
時期が時期だけに誤解を生んだ。
「じゃあ、なに?」
基本、ツンデレタイプだ。
最初はそのかもし出す雰囲気に、見えない壁を感じていた。
「姿勢いいよね」
その言葉通り、後姿を見れば彼女だとすぐ分かるほどだ。
「そう?気にしたことないし・・・それに・・・」
「それに?」
「自分じゃ見えない」
誉めたつもりが、逆に攻められているような気がする。
もっとも・・・彼女らしい・・・が。
「僕はいつも見ていたよ」
僕としては彼女の言葉に、ただ反応したつもりだった。
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