« [No.305-1]不安のタネ | トップページ | ホタル通信 No.092 »

[No.305-2]不安のタネ

No.305-2

「そうよね・・・よく考えなくても、したことないね、私たち」

場の張り詰めた空気が、少し緩んだような気がする。

「ようやく、冴えない顔が少し・・・」
「なにさ、その“冴えない”って!」

場の空気と共に、私の口も緩んでしまった。

「まぁ、それはそれとして・・・不安があってもいいじゃない!」
「だからこそ、頑張れるんでしょ?」

プレッシャーは植物のタネと同じだと思う。
心という“土壌”でタネは育つ。
それに、不安を感じれば感じるほど、それは大きく成長していく。

「それって・・・励ましてる?それとも突き落としている?」

同僚が冗談半分、本気半分の顔でにらむ。

「まぁまぁ、最後まで聞いて」

プレッシャーは、言わば“不安”という肥料で成長する。
時には涙という水分も必要とするだろう。
そして、ついには・・・。

「なんか・・・怪談話みたいでオチを聞くのが怖い・・・」

同僚が、まさに固唾を呑んで、最後の言葉を待っている。

「そして、ついには・・・花を咲かす」
「・・・」
「“成果”という花を」
No305
(No.305完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ web拍手 by FC2

| |

« [No.305-1]不安のタネ | トップページ | ホタル通信 No.092 »

(013)小説No.301~325」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.305-2]不安のタネ:

« [No.305-1]不安のタネ | トップページ | ホタル通信 No.092 »