[No.304-1]言えない一言
No.304-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
-----------------------------
いわゆるケチではない。
それに、お金に汚いわけでもない。
彼女をそうさせるもの・・・それは後になってから知った。
「ウィークリー・マンション系は?」
「確か・・・長期滞在も可能だよね?」
提案するのには、わけがある。
通常の物件よりも、まとまったお金を必要としないからだ。
敷金とか礼金とか・・・。
詳しくはないが、そんな記憶があった。
「せやね・・・うちもそんなこと考えてた」
のんびり物件を探すわけには行かない。
とにかく、急いでいることもそれを提案する理由のひとつだった。
「でも、どのくらいお金かかるんやろ・・・」
「いくつか物件を調べてみるよ」
それほどまとまったお金を必要としないものの、不安はあるだろう。
ただ、彼女の場合、その不安の感じ方に少し違和感を覚える。
「分かったらメールするから」
「うん、待ってる」
彼女に対する、その違和感・・・。
それは前から時より感じてはいた。
お金に対して、何らかの“執着”を持っている・・・と。
(でも・・・ケチとか汚い・・・とは違う)
「じゃあ、また後で」
| 固定リンク | 0
「(013)小説No.301~325」カテゴリの記事
- [No.325-2]似てるけど似てない(2011.12.20)
- [No.325-1]似てるけど似てない(2011.12.18)
- [No.324-2]二度目の別れ(2011.12.17)
- [No.324-1]二度目の別れ(2011.12.16)
- [No.323-2]隣人(2011.12.13)
コメント