[No.301-2]進化論
No.301-2
「えっー!ラッキーガールが、ふたりもここにぃ!」
さっきまでの神秘的なイメージが一気に下がる表現だった。
「まぁ・・・そういうことになるわね」
「なんか、急に安っぽくなったと思わない?」
確かに、運命の大安売りの気配もただよう。
「でも、わたしのせいじゃないわ」
単に、私たちが惚れっぽい、だけだろうか?
それこそ、安っぽい恋愛をしていることになる。
「そんなことないよ、ちゃんと選んでる」
「・・・いつも同じようなタイプになっちゃうけど」
決して誰に対しても恋愛感情を抱いてはいないらしい。
それは私も同じだ・・・好みは一貫している。
「私もよ、みんな似た感じの人・・・外見も内面も」
「だよね~」
やはり運や偶然を超えた運命やら奇跡という言葉が似合うが・・・。
「・・・でも・・・他にも居た・・・」
「余り記憶に残っていないけど」
理想には程遠いが好きになった人も、決して少なくはない。
ただ、いつの間にか、記憶の片隅から消えていた。
「私たち、都合良く解釈してただけかもしれないね」
素敵だと思う男性のみ記憶に残る、ただそれだけなのかもしれない。
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