« [No.300-1]天空のホタル | トップページ | [No.301-1]進化論 »

[No.300-2]天空のホタル

No.300-2

「それはそうと星って、昔から色んな人を照らして来たんやろな」
「そうだね、今の僕らのように」

加えて、星の輝きは目印にもなる。
輝く光で数多くの人を導いても来たはずだ。

「みちびく?」
「ほら、実用的なものだけじゃなく・・・」

光り輝く星は、まず方角として人を導く。

「それに・・・心情的にもね」

占いを代表とする、神秘的なシンボルとしても人を導く。

「逆もあるやん」
「逆?」
「惑わすこともあるやろ」

確かに、たかが星占い、されど・・・という面もある。

「うちは、そんなに光ってなくてもええねん」

そう言うと、夜空を指差す。
どこかの星を指差しているように見える。

「・・・どれ?名前は?」
「名前・・・は、やね~」

そう言うと、夜空を差していた指を、フラフラと動かし始めた。
そして、その指を僕の目の前で止めた。

「ほい!ホタルの光、みっけ!」
「小さな光やけど、うちにとっては一番や!」

照れくさい言葉に、今だけは赤く光ってるのかもしれない。

(No.300完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ web拍手 by FC2

| |

« [No.300-1]天空のホタル | トップページ | [No.301-1]進化論 »

(012)小説No.276~300」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.300-2]天空のホタル:

« [No.300-1]天空のホタル | トップページ | [No.301-1]進化論 »