[No.298-2]調整力
No.298-2
「もぉー!また、ズレちゃった」
二面の難しさは、後輩の言葉そのものだ。
先に一面を揃えても、二面を揃える時に、一面がずれてしまう。
言葉するには難しいが、わざとズラしながら・・・。
「でしょ?最後に、ふたつ合わせ込むように・・・」
直前までバラバラでも、最後にピタッ!と合わせ込む。
二面を揃えるには、そんなテクニックが必要になる。
それが、三面、四面と進めば、なおさらだ。
「こうして・・・これをズラしておいて・・・」
「“ある力”を鍛えてると感じない?」
「確かに・・・そんな気がしてきた」
(それが、調整力よ!)
調整力・・・一般的な言葉かどうかは分からない。
でも、少なくとも私はそう名付けている。
仕事をしていれば、何かと足並みが揃わないことは多い。
スケジュールしかり、考え方しかり・・・だ。
「あせらず、ギリギリまで我慢して、最後にピタッ!っと」
「・・・その“力”、分かったよ!それに・・・できたぁ!」
二面の完成と共に、どうやら必要な“力”も分かったらしい。
「そう!これが調整りょ・・・」
「うん!・・・こうすれば、上手く鉢合わせしなくて済むんだね」
それぞれを上手くコントロ-ルする、二股力を身に付けたらしい。
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