[No.298-1]調整力
No.298-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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「ルービック・キューブって知ってるよね?」
「あのガチャガチャするやつでしょ?」
かつての大ブームはとっくに過ぎている。
それでも、今でも魅力的な玩具だ。
「それが、どうしたって?」
「ちょっと遊んでみない?」
どうして、私がそれを持っているのか、後輩は聞かなかった。
ややこしくなると思い、あえて聞かなかったのだろう。
「まずは一面、揃えてみて」
最初は渋々感が漂っていた。
でも、だんだんと表情が変わってきた。
「こうして・・・こうして・・・できたぁ!」
(まっ、一面はこんな程度よ!)
「じゃ、次、二面に挑戦して」
「二面かぁ・・・」
単に難易度が上がるわけではない。
二面にはある“力”が必要になる。
「あれ・・・これじゃ、せっかく揃ったのに、ずれちゃうから・・・」
(そう、そう!それそれ!)
私もかつて、先輩から試されたことがある。
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