[No.296-2]別れの予感
No.296-2
「前、付き合っていた人とはね・・・」
カミングアウトする必要もないのに、つい雰囲気に流された。
「その、どちらでもなかったのよ」
「どういうこと?」
何の前触れもなく、メールも電話も通じなくなった。
「最後のメールが“じゃあ、また明日!”なんだよ」
自然消滅のように徐々にフェードアウトしたわけでもない。
ましてや、最後の最後まで修羅場があったわけでもない。
ある日突然、ふたりを繋ぐ糸が切れた。
「その糸を手繰り寄せても、何も引き寄せられなかった」
それまでの自分の言動を振り返った。
別れの原因がそこにあったかもしれないからだ。
「・・・で、見つかった?」
「う、うん・・・かれこれ2年になるけどね」
原因は今でも分かっていない。
「分かってたなら、逆に別れなくて済んだかも」
気付かない所で、すれ違いは始まる。
「案外、彼が別れのサイン・・・出してたかもよ~」
「もぉ!それって私が鈍感ってこと?」
恋の予感だけじゃなく、別れの予感も感じた方が幸せな時もある。
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