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[No.296-1]別れの予感

No.296-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「自然消滅・・・って、減ったと思わない?」

恋人同士の別れの定番“自然消滅”
言われる通り、最近は減ってきたように思える・・・経験を含めて。

「ほら、一昔前なら・・・」
「連絡手段が限られていたからね」

携帯電話がまだ一般的ではない頃、連絡手段は限られていた。
お互い、家にある電話を使うことがほとんどだった。
親の目もあり、頻繁に連絡を取り合える環境にはなかった。

「だから、心が離れたりすると」
「途端に連絡が途絶える・・・か」

今なら、メールも電話も直接相手に届く。
もちろん、拒否されていないことが条件になるが・・・。

「最後の最後まで喧嘩したり、泣きごと言ったり・・・」
「本当の別れの瞬間まで、繋がっていられるのかもしれない」

決して表現は良くないが、修羅場は少なからずあるだろう。
そんな状態を誰しも自然消滅とは表現しない。
そう考えれば、自然消滅は綺麗に別れていると言える。
ただ・・・。

(まぁ、言いたいことがあっても言えないし・・・)

簡単に連絡を取り合えない以上、喧嘩さえ成立しない。

「どっちが幸せなのかな?」
「自然消滅か修羅場ってこと?」

(No.296-2へ続く)

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