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[No.291-1]ブルー・スカイ・ブルー

No.291-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(男性)
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「ねぇ、あれ見て・・・」
「ソフトクリームに見えない?」

点々と浮かぶ雲のひとつがそう見える。

「雲ならみんなそう見えるんじゃない?」

彼がそっけない返事をする。

「もぉ・・・」

暑さを避けるために、公園の木陰に入った。
真夏でも陰に入れば、吹く風も手伝って心地よく感じる。
こんな時は、ただボンヤリするのが似合う。
会話も成立こそすれ、どことなく脱力感が漂っている。

「空って不思議だよね」
「何がだよ?」

あの空の向こう・・・何があるわけでもない。
それなのに、人はそこに何かを求めずにはいられない。

「昼間から詩人してない?」
「そうかしら?」

ロマンティックに詩人を語るつもりはない。

「真っ青な空を見てると、そんな気になるだけ・・・」

ロマンティックさには欠けている。
でも・・・今なら何でも素直に話せる気がする。

「ねぇ、ハートの形に見えない?」

(No.291-2へ続く)

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