[No.289-2]社交辞令
No.289-2
ハガキが届いた次の日に、メールを送った。
届いたことを、あえて知らせた。
「どう返してくるのかな?」
彼女を試すようで多少、気が引けなくも無い。
(もう少し、限定的に書けば良かったかなぁ?)
届いたことを知らせる以外、特に何も書かなかった。
今思えば、もう少し“狙えば”良かった。
「本当に遊びに行きますよ!・・・なんてね」
社交辞令を皮肉って、真意を確かめる方法もあった。
でも、返事がどちらであっても、それはそれで・・・。
しばらくしてから、彼女から返信があった。
『連絡ありがとう!』
こっちはこっちで、僕に負けず劣らず文章が短い。
・・・と言うより、キャッチボールが続けられない。
表現は悪いが展開次第で向こうが先にボロを出すことだってある。
このままでは展開どころか、終了だ。、
(どう返事を返そうか・・・)
色々な考えが頭の中を駆け巡る・・・が、まとまらない。
(ええいっ!ストレートに行くかぁ!)
本当に遊びに行く旨を冗談ぽくではなく、本気で返した。
すると、すぐに返事が返ってきた。
『社交辞令を本気にしないの!気分が悪いから家に謝りに来て』
(No.289完)
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