[No.288-1]幻の花屋さん
No.288-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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午後から私用があり、会社を休むことになった。
丸一日休むことはあったが、午後だけ・・・は初めてだった。
最寄の駅まで、朝、歩いて来た道を戻る。
(なんか、新鮮な気分!)
来る時にはまだ閉まっていた店も、元気良く営業中だ。
それだけで随分と空間の印象が変わる。
「この店・・・」
今更、何の店か気付かされた。
夜は夜で仕事が遅く、帰宅時には店の営業は終っている。
「えっ!あの倉庫!?」
倉庫だと思っていた建物に、花が飾られている。
朝の殺風景な雰囲気が一変している。
倉庫・・・花・・・アンマッチが逆にマッチして独特の味が出ている。
(花屋さんだったなんて)
花屋さんとは気付かずに通り過ぎる毎日だった。
今日がなければ大袈裟だが一生知らなかったかもしれない。
「たまには休むことも、ありね!」
このまま用事を無視して、もっとブラブラしたい気分だった。
(・・・どうしようかな・・・)
やっぱり、用事を無視するわけにも行かない。
けど、このままアッサリ帰るのも寂しい・・・それなら・・・。
目の前の一際鮮やかな、鉢植えを手に取った。
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