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[No.286-2]レジャーシート

No.286-2

「手帳・・・なんだ」

それなら写し方に工夫して欲しいところだ。
せめて、手帳を開いているとかペンが一緒に写っているとか・・・。

「そやかてな」

菜緒(なお)いわく、“その物”を写すことに余り意味はないらしい。
“みんな”が写っていることが重要だという・・・。

「確かに、みんな勢ぞろいしてるけどな」
「それが大切やねん!」

考えてみれば、写メはいつも全員集合だ。

「今回はせいじゅうろうを、ふたつ盛ってありますな」
「盛ってある?・・・あぁ、これね!」

印刷とは違う、せいじゅうろうがふたつ手帳に貼り付けられている。

「随分、にぎやかになったね」
「そやろ!」
「うちは寝袋で、ダラダラ中ですな・・・」

それからしばらく菜緒のひとり遊びが続いた。
それが下敷きだろうが、レジャーシートだろうが関係ない。
遊びの対象は、常に彼らなんだ。

「間違いのついでに今度、レジャーシート持って出掛けない?」
「いいけど、勢ぞろいしてるやつでな」
「あぁ・・・みんなが勢ぞろいしてるやつ買っておくよ」

菜緒がいう“みんな”とは、菜緒と俺も含まれている。
だから、プラス2名で勢ぞろいだ。
レジャーシートの上でなら、それが可能だ。
   No286
(No.286完)

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