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[No.283-1]パープル・レイン

No.283-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「えぇ~!信じられないぃ!」

予想された返事だけに、これ自体に驚きはない。
むしろ、それを知っていたことに驚いた。

「・・・知ってるの?」
「ある意味、有名よ」

美崎(みさき)と映画館へ向かう途中だった。
流れで、高校の時につきあっていた彼女の話題になった。
映画はいわゆるデートの定番でもあるからだ。

「ちゃんと調べてないからよ」
「今と違って事前に調べるなんて出来なかったんだよ」

他にも候補はあった。

(確か・・・怪獣物・・・とアニメだったな?)

初デートに見る映画としては、どちらも考えものだった。
怪獣好きの女性は、あまり聞いたことがない。
それにアニメは明らかに子供向けだった。

「何もそれを選ばなくても・・・」
「だから・・・知らなかったんだよ、ただ単純に」

結局、怪獣でもアニメでもなく、ある映画を選んだ。
でも、何の映画か全く知らなかった。
なんとなく、タイトルの雰囲気から決めた。

「そしたら・・・」
「当たり前でしょ!」

高校生には少し早すぎる内容が満載だった。

(No.283-2へ続く)

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