[No.282-1]友だちの鏡
No.282-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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友人のある一言で、化粧室に飛び込む羽目になった。
それから大急ぎで鏡を覗き込んだ。
(・・・ないじゃない!)
美人であるかは別にして、いつもと変わらぬ顔だ。
今度は友人のもとへ大急ぎで戻った。
「ちょっとぉ!からかったでしょ!」
「からかう?」
「だってそうでしょ?なかったわよ!」
確かに全くないわけではない。
ただ、友人はそんな微妙なレベルを言ってはいない。
「そう?今でも、かなり深くあるわよ」
(かなり深いって・・・どういうことよ)
「そんなに深いの?」
「かなり」
「でも、鏡を見てもそう思えないわ」
自分の感覚がズレているだけだろうか・・・。
でも、まだ20代前半だ。
いくらなんでも早すぎる。
「じゃ、どこか具体的に指差してよ!」
進まぬ会話に、友人が詰め寄ってきた。
「いいわよ・・・ハイ!」
友人が私のおでこに人差し指を当てた。
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