[No.276-2]好きになってよかった
No.276-2
「まぁ・・・そんな時もあるのかもね」
友人が助け舟を出してくれた。
特別、何か想い出があるわけでもない。
なのに他人事として聞けない。
「一種のデジャブみたいなものじゃない?」
それが正しいかどうかは別にして、雰囲気は理解できる。
他人の経験を、自分の経験と置き換えているのかもしれない。
「それと恋愛ドラマ!」
友人の言葉に納得できるものを感じた。
確かに恋愛ドラマを良く見る。
その影響かも・・・。
「いずれにしろ、解決できてよかったじゃない!」
「そうね、じゃ、一曲行く?」
サラリーマンの“1杯行く?”と変わらないノリでカラオケに誘った。
「好きになってよかったぁ~♪」
何時になく、友人が張り切って何度も歌った。
そんな曲じゃないのに・・・。
(ん・・・あ・・・れ・・・?)
「過去形じゃ・・・ないんだ!」
「な、なによ急に!」
好きになってよかった・・・今でもそう想っている。
(No.276完)
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