[No.261-2]最高の誉め言葉
No.261-2
「・・・そうね、同じ会社だし・・・あるよね!」
聞こえは悪いが、彼に特別な感情は持っていない。
仲の良い同僚・・・信頼できる同士のような存在だ。
「派手な喧嘩も良い思い出だろ?」
「もぉ!話を戻さないの」
それだけお互い仕事に真剣だった証拠でもあった。
「でも、嬉しかったな・・・」
「何だよ、急に」
何度か彼が私の味方に付いてくれた。
時には自分の意見を曲げてでも・・・。
「その時は、君の意見の方が正しいと思ったからな」
「へぇ~、好きなら好きと素直に言えばいいじゃない」
わざと話を飛躍させた。
「それは君のほうだろ?」
多少、色気のあるジョークも今なら自然に言える。
「また一緒に仕事をしたら、味方になってくれる?」
「・・・いや、逆かもな」
「敵ってこと?」
「ライバルだよ、ラ・イ・バ・ル」
私のことを認めてくれた彼の最高の褒め言葉だった。
(No.261完)
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